第7話 

 ロクの旅作:ねずみ犬さん


 …愛を知れたのは、いい事だ…
 だけど……私はまた新たな哀しみに、追い込まれてしまった。



ロク「…」
チョコ「…」

 私達は無言で、ただ道を歩いていた。
 行く当ても無く。

 何で……
 いつも…私だけ辛くて……
 チョコにも辛い思い、させて…
 こんな事なら私、存在していない方がずっと…良かったのかも…

チョコ「…あっ!!!」
ロク「?」
チョコ「前に、パパが言ってた…あのね、『人体製造機』ってのを造って、その中にロボットが入れば……人間に……なれる…って……」
ロク「…!!!!」
チョコ「造ればいいんだよ!!でも…誰に造ってもらえば……私達じゃ造れないよ」

 私は言った。

ロク「…長」
チョコ「何?」
ロク「…研究所の所長…アンドロイドを幾つも造り出している。だから…もしかしたら所長なら…」
チョコ「…そうか!!!」

 私達は来た道を戻り出した。
 所長…所長さえいれば、私は……



ロクチョコ所長!!!!!!」
所長「…まだ用が…あったの?」
チョコ「所長。あの……」


所長「…そうか…分かった。でも随分な時間がかかるよ。それに設計図が無いと」
チョコ「…あ、前にパパがくれた…何の紙だろうってずっと思ってたんだけど、もしかしてこれ、設計図かも…」

 チョコは、ポケットから紙切れを取り出して所長に差し出した。

所長「…うん!造れるかも…しれない。でも…大体9ヶ月かかるだろうね」
ロク「…いいです。人間に戻れる可能性があるなら…いつまでも待ちます」
所長「…分かった」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜9ヵ月後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロク「…コ…チョコ…チョコッ!!!!」
チョコ「うう〜ん…何よロクゥ……まだ眠…」
ロク「それどころじゃない!人体製造機ができたって、所長がっ…!!!」

 私達2人は、新生研究所へ急いだ。
 中に入り、所長を探すと…

ロクチョコ「…わぁ……」

 私たちの目の前に、大きな良く分からない機械があった。

所長「失敗さえしていなければ、これでロクは人間に戻れるはず。さ、入ってごらん」
ロク「…は、は…は…はい……っ!!」

 私は人体製造機の中に足を踏み入れた。
 そして―――





ロク「……チョーコッ!!!遅い遅いっ」
チョコ「…あ…足…速い…ロク…はぁはぁ…」
ロク「もっと鍛えろーw」


 あれから私は"破壊兵器"では無くなった。
 所長は元気にやっている。
 普通に…普通になれて……

 私のアンドロイド生活は、今や夢の話のようになっていた。

……終……